永遠平和のために

永遠平和のために 永遠平和のために
ZUM EWIGEN FRIEDEN
著者:イマヌエル・カント
訳者:池内 紀

■判型/総ページ数:B6判変形ハードカバー/120ページ
■定価:本体1,300円+税
■ISBNコード:978-4-7777-1010-2
■発売年月日:2007年11月26日

「国連」「憲法9条」の原点がここに
16歳からの平和論

1785年、カントは永い哲学教師の最後に一冊の小さな本『永遠平和のために』を出した。有史以来、いっこうに戦争をやめようとしない人間に、はたして永遠平和が築けるのだろうか。カントが出した答えはイエスだった。永遠平和は空虚な理念ではなく、人間に課せられた義務である、とカントは説く。混迷を深める現代にあって、あらためて読み直し、平和について考えたい一冊。

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〜瀬戸内寂聴氏、江國香織氏からこの本にお言葉を寄せていただきました〜

瀬戸内寂聴
むつかしいカントの言葉をわかり易く親しみ易く訳してある。
カントの考えと釈迦の考えが余りにも同じなのでびっくり。
戦争絶対反対。命礼讃の思想こそ永遠である。

江國香織
曇天の日の午後遅く、カントとお茶をのんで話した。
カントはやさしくて茶目っけがあり、でもいきなり憮然としたり、悲しげなためいきをついたりした。
そういう読後感の本。
カント珠玉の名言と、日本を代表する写真家たちの作品が出逢う、奇跡のコラボレーション

写真/江成常夫
写真/江成常夫
〈著者プロフィール〉
ドイツの哲学者。1724年ケーニヒスベルクに生まれ、終生その地を離れなかった。主著の『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』などで哲学界に多大な影響を与えた。

〈訳者プロフィール〉
ドイツ文学者・エッセイスト。1940年、兵庫県生まれ。美しい文章、やさしさに満ちた随筆が多くの人のこころをとらえている。主な著書に『諷刺の文学』『海山のあいだ』『見知らぬオトカム――辻まことの肖像』『ゲーテさん こんばんは』『二列目の人生 隠れた異才たち』『生きかた名人』『池内紀の仕事場』(全八巻)など。主な訳書にエリアス・カネッティ『眩暈』、ヨーゼフ・ロート『聖なる酔っぱらいの伝説』、『カフカ小説全集』、ゲーテ『ファウスト』、ギュンター・グラス『蟹の横歩き』など。「第54回毎日出版文化賞」「第5回桑原武夫学芸賞」「第39回日本翻訳文化賞」などを受賞。

装画/山本容子
装丁/木村裕治・本多悦子(木村デザイン事務所)
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