WEB連載

第2回「ハイランドの膝小僧を追いかけて」

 前回は、イギリスの正式名称が「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」だという事実を42歳になって初めて知った、という「気づき」でしめたわけですが、そんな私が我が子に毎晩「家庭学習の大切さ」を諭したりしてますから大人ってホント信用なりませんよね! やだやだ!


 さてさて、とにもかくにもようやく私の愛する筋肉ハイランダーさん達の住んでる場所が特定できました。
 私が「イギリス」だと思っていたグレートブリテン島の北側約3分の1、そこが彼らの住まう国スコットランドです。残りの南はイングランドとウェールズ、アイルランドの端っこがちょっとだけ連合国に入っててそれが北アイルランド。全部合わせて「United Kingdom」というわけです! わっしょーい!

 そこからしばらく本来の目的を忘れ、Googleのストリートビューで憧れの地をうろうろして遊ぶ私。そうかあ……ココがあのハイランダー達の祖国かあ。あっ、このお城の名前、あのお話の中で出てきた! あっ、この湖も! そうかー、ここであーんなことや、こーんなことがあったのかー、そうかそうかー。ふーんふーん。

 面白いもので、画面越しの静止画と言えど、あの角を曲がって、この橋を渡って……とウロついているうちに、なんとなくスコットランドの雰囲気を知った気になっちゃうものです。とりあえず3日ばかり地図上を歩き回った身(?)といたしましては、むちゃくちゃ遺跡が多い国、という感想を持ちました。端っこにある小さな町でも、どこか一箇所くらいは城跡があったりします。もう住宅地になってるけど「なになにキャッスル」みたいに城があった地名だけが残ってるとか。事情通のフォロワーさん曰く、スコットランドは「古城の国」としても有名らしく「探せばゴロゴロある」とのこと。……城が……探せばゴロゴロ……すごいなあ。
 しかしながら、城と言っても作られた当初の形が残っているものはやっぱり少なくて、大半が崩れてたり壁だけだったり。大きな木に侵食されていたり。

こんなのとか。

こーんなのとか。

 なんと言いますか……ものすごい廃墟感がありますね……なんかウズウズしますね……。
 日本にもいろいろな遺構がありますが、どうして日本ではヨーロッパのような「全体的に石を使った建築物」が発達しなかったんでしょう。調べてみると、建材として木が一番手に入りやすかったこと、日本の石は加工するには硬くて扱いにくいこと等が主な理由なんだそうです。地震も多いですしね。崩れますしね。日本人の私から見てヨーロッパの大きな建築物って凄いと思うと同時に「あんなに高いとこまであんな重いもの積み上げて大丈夫か……」って不安になりますもんね。


 さてさて、本題に戻りましょう。
 スコットランドの首都は「エジンバラ」です。私は当然知りませんでした。国の場所も知らなかったわけですからその首都なんて知っているはずもございません。あー……なんか……どこかで……聞いたことが……あるような……気が……する……かも……くらいの感じです。くどいようですが今年で42歳です。
 お隣のイングランドの首都はかの有名なロンドンなのでそれは流石に知ってましたが、お隣の国なのにずいぶん「音」や「語感」が違う感じがしますねエジンバラ。聞き慣れないというか、濁音が入って異国情緒満載。どっちかっていうとヨーロッパって言うより、なぜだろう……アフリカとかそっち方面のニュアンスまで感じられ……。

背後から突然のつっこみ。

 そーか「ジ」と「バ」と「ン」と「エ」がかぶってるからか……!!
 どうして外国の都市名って濁音の数が多いとこんなに久保田早紀感が漂うのだろう……あとで調べてみよう……などと思いつつ、エジンバラ――そうエジンバラの話ですよ奥様。

 語源は「エドウィンの城」という意味で、もともとは6世紀くらいにここら辺りに住んでいたピクト人の砦があったことが起源なんだそう。ふむふむ。そういえば、スコットランドには「〜burgh(バラ)」がつく名前の都市が多いですよね。「城の国」なんだからそれは当たり前かもしれないんだけど、具体的にどれくらいあるんだろう。――と、好奇心から「burgh」のつく地名にGoogleマップ上でピンを置いてみることにしました。マイマップは自分の好きなところにマークが付けられる機能。めっちゃ便利。

 えーと、こうやって地名を検索して

 ピンを置いていく。

どんどん置いていく。

 そうすると、わお! こんな感じに!

 なんか上のほう、海沿いに重要な城があるとか、すごくそれっぽい。たぶん貿易とかの要所だったんでしょうな! あとエジンバラからグラスゴー(スコットランドで一番大きい都市)をつなぐ道沿いに「burgh」のつく名前が多いの、やっぱ昔からこの2都市が重要だったからなのかなあ。面白いなあ! 面白いなあ! 勉強って楽しいなあ!

 ……と、編集さん「校正入りましたー!」

※「THE SCOTSMAN」はスコットランドの地元新聞。(当然、英語)

な……ん、だと……?

第3回に続く。

「ハイランダー物の紹介ページなのにハイランダーが一人も出ていない」問題を解決すべく唐突に貼り付ける、ハイランド・ガード・シリーズ1『ハイランドの戦士に愛の微笑みを』(モニカ・マッカーティ作 芦原夕貴訳 ベルベット文庫)の主人公のトールさん。

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モニカ・マッカーティ・作  芦原夕貴・訳

『ハイランドの戦士に愛の微笑みを』

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