WEB連載

第7回「とりあえずこれだけ押さえとこうぜハイランド・ガード」

 こんにちは、コマです。



ひどくない?

 さあ、遂に明日18日に本当に発売してしまう〈ハイランド・ガード・シリーズ〉の四作目! 一作目から意味ありげにトールさんに絡んでた、あの! ヴァイパーの本! 遂に! 出るよ! 出ちゃうよおおお! 『薔薇を愛したハイランドの毒蛇』! 読みたくて読みたくてずーっとずーっと待ってたヴァイパーの本! ――やばい、本当に本屋さんの店頭に明日並んじゃうのか……うううううわー! うわー! うわー! 本棚の前で素で泣いちゃうかもしれないオオオオオイオイオイオイ完璧不審者じゃんオイオイオイオイオイ……!!!

 いかんいかん、泣いてばかりではいられない。使命を! 使命を果たさなければっ……!
 今回は〈ハイランド・ガード・シリーズ〉二、三作目の要点解説、引き続きいってみよ〜う!


Q1:二作目以降は誰が主人公なの?
A1:基本的に、一作に付き一人のハイランダーがヒーローとなっています。ちなみに彼らひとりひとりに付けられた「暗号名」が原題です。おしゃれ。

 シリーズ一作目『ハイランドの戦士に愛の微笑みを(原題はThe Chief)』で主人公を務めたトールさんのもとに、スコットランド中から集められた「一筋縄ではいかない」ハイランダー達が揃うところからが本シリーズの始まりです。初期メンバーは11名。

Q2:人数が増えたけれど、みんなそれぞれどういう関係性なの?
A2:団員同士が遠縁の親戚だったり、自身が属する氏族が対立している者同士だったり、戦士団の中でもいろいろありそうな感じです。

 とりあえず、二作目『ハイランドの鷹にさらわれた乙女(原題はThe Hawk)』主人公ホークことエリク・マクソーリーさんと、四作目『薔薇を愛したハイランドの毒蛇(原題はThe Viper)』主人公ヴァイパーことラクラン・マクルアリさんは親戚です。あ、アンガス・オグ・マクドナルドさんも親戚です。

 ちなみにこの三人と、よく出てくるマクドゥーガル氏族の通称ジョン・オブ・ローンも同じ「サマーレッド」という英雄の血筋の親戚筋。
 うーん、何か絵がないとピンと来ないなあ……。ジョン・オブ・ローン……じょん・おぶ・ろーん……マクドゥーガル……まくどぅーがる……うーんうーんうーん……。


どぅーって感じ。

 この顔色の悪いおじさんジョン・オブ・ローンさんとアンガス・オグ・マクドナルドさんは、同じ先祖を持つ親戚同士だけど元々めっちゃ仲悪い。今回の戦もイングランド派とロバート派に分かれて戦ってる。つまりこう。

 このジョン・オブ・ローンさん、実は他の団員とも因縁がありまして。

 三作目『ハイランドの仇に心盗まれて(原題はThe Ranger)』の主人公レンジャーことアーサー・キャンベルさんのお父さんを刺殺してたりします。悪いやっちゃ!
 アーサーの兄弟六人は皆それぞれ支持する人間が違うので、目下のところキャンベル氏族はバラバラに分裂しています。現代で考えれば結構な悲劇なのですが、この時代はよくあることだったらしく、家族内の亀裂を逆手に取って、彼はイングランド側のマクドゥーガル氏族内にスパイとして潜入する役目を担うわけですよ! 実の兄がいるから入り込みやすいもんねー。

 アーサーは地味な役回りをひたすら忠実にこなそうとします。だが、しかし! ――そう、ここは華麗なる翻訳ロマンス小説界。影のあるイケメンという美味しい男に、諜報活動など地味な役回りをむざむざ続けさせておく理由はないのです。さあ、カモン! カモン甘い障害よ……!


ギャ――来たわあああああ!!

 ま、まさかそんな大物の娘さんを相手役に持ってくるぅ……? と、読者が思わず唸っちゃうようなポジションにヒロインを据えちゃった三作目『ハイランドの仇に心盗まれて』は、つまりハイランダー版のロミオとジュリエットなわけですよ! うひゃっほー! そんなん大好物じゃわーーーいい!
 というわけで、使命と恋心に挟まれて苦悩するイケメンハイランダーを堪能したいなら三作目のアーサーがオススメー!


Q3:ロバート・ブルースの史実とはどう重なっているの?
A3:さすがモニカ先生、毎回絶妙に歴史と創作を配合されてます。

 作者のモニカ・マッカーティ先生は、シリーズを通して「この時代の実在した人物の娘や妹」、もしくは「実在した女性」に自身の創り出した〈ハイランド・ガード〉の団員をどんどんくっつけちゃおうという算段らしく、なるほどこれが史実と創作をがっちり嵌まらせる鍵なのねと納得する次第なのでありました。
 二作目の『ハイランドの鷹にさらわれた乙女』のヒロイン・エリーに至っては、第5回でも書きましたが「ロバート・ブルースの妻の妹」というこれまた大胆な設定です。つまりこう。


絶妙に史実に程近い立ち位置。

 さらに、ロバートの妻とエリー姉妹はイングランド側の味方、アイルランドのアルスター伯の令嬢。エドワード王からの命令で、反旗を翻す前にほとんど無理矢理結婚させられた敵方の娘さん。だから、つまりこう。


あ、エリクさんもロミジュリ設定だったね。

 それではじめは、お互いに正体を隠してたわけですねー。敵同士だものね。納得なっとく。ちなみにアーサーと違って二作目のエリクは早々に任務よりもエリーを口説くことに躍起になってますので、同じハイランド・ガードの団員でも恋愛感覚には個性があって面白いのです。私はエリクが「あーもう我慢やーめーたっ」って理性を放り投げちゃうシーンがお気に入り。おおおおい、アンタ任務はー!?(笑)


 さてさて、既刊本二作をざーっと紹介して参りましたが、いかがでしたか?
 本当はもっと詳細まで説明したかったんですが、私の脳みそが間に合いませんでした。残念だ! ほんとに残念だ! まったくもう!
 でも、これだけ押さえとけば大まかに理解するには大丈夫だと思うので、是非この機会にベルベット文庫〈ハイランド・ガード・シリーズ〉既刊三作も、新刊と一緒にお手にとって頂ければ幸いです!

 さぁて次回、年末最後の更新は、いよいよ発売された『薔薇を愛したハイランドの毒蛇』のご紹介です。
 第8回に続くー! パフパフードンドンドン!

<ベルベット文庫 ハイランド・ガード・シリーズ 好評既刊>
モニカ・マッカーティ・作  芦原夕貴・訳

『ハイランドの戦士に愛の微笑みを』

『ハイランドの鷹にさらわれた乙女』

『ハイランドの仇に心盗まれて』

★最新刊『薔薇を愛したハイランドの毒蛇』、好評発売中!

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